佐野まいけるのイカ解剖ログ

趣味で解剖したイカの記録を載せていきます。

アオリイカ(シロイカ)_メス_成熟度1_SL-210130-001

基本情報

標準和名:アオリイカ(シロイカ)
学名:Sepioteuthis lessoniana
雌雄:メス
成熟度:1
体重:794.0g
外套背長:27.5cm

ID:SL-210130-001
解剖日:2021/1/30
入手日:2021/1/30
入手方法:購入
産地:不明
状態:

解剖雑記

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解剖記録の第一号は市場で見つけたアオリイカということになった。購入時は背中の模様がまだはっきりしていて、ちょうどオス・メスが一対揃っていた。オスは解剖したことがある気がしたのでメスを選択。両方欲しいのはやまやまだが薄っぺらな財布を見て思いとどまる。市場での買い物に不慣れなせいで、お店の人に産地を聞くのを忘れてしまった。君はどこから来たんだい。朝購入してから昼過ぎに解剖するまでの間に背中の模様は消失した。買ってすぐに写真を撮るんだったな。

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アオリイカの解剖は慣れない。関東では高級品だから、私のような庶民にはなかなか手に入らないのだ。外側はきれいだったけれど、外套膜の内側は結構墨で汚れていたので丁寧に拭いた。胃が黒い水でタプタプだ。潰すと厄介だからと慎重に作業したつもりだったが、やっぱり破いてしまってキッチンペーパーで吸うはめになった。この黒い水ってなんなんですかね。自分で吐いた墨でも吸ったの?あと、体重を測り忘れていたことに気づき、慌てて計測した。

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生殖器はほとんど発達していない。墨袋の上にギリギリ包卵腺と副包卵腺が確認できる。卵巣の重さを測ろうとしたのだが、どこを探しても卵巣が見当たらない。あとでアオリイカを専門にしている方に聞いてみると、若すぎる場合は卵巣は胃の後ろに隠れてほとんど膜のようにしか見えない場合もあるとのこと。多分それだな。

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口からカラストンビを取り除いた後、上顎板の形がそのまま残った尖った肉を発見して思わず悶えた。そんな形してたのかよここの肉。今まで気づかなかったな。。このとんがりを指でつつきまわしたい(ちょっとだけした)。

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初めて平衡石を取り出してみた。頭部を縦半分に割ると平衡胞がうっすらみえる。ほんのわずかに白く濁ったところが多分平衡石。メスでスライスしたいところだったが替刃がまだ届いていなかったので、やむなくカッターを使った。

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拡大した平衡石。アオリイカの平衡石は比較的大きいので見つけやすいとは聞いていたけれど、自分で取り出せると嬉しさもひとしおである。意外と複雑な形をしている。粘土で小指くらいのサイズにこしらえて、ピアスにしたら可愛いかもしれない。

反省点

・購入時に産地を確認する
・購入時の写真を撮る
・最初に体重を計る(解剖用トレーは計測には重すぎるので、袋に入れた状態で測る)
・胃を破らない

計測や写真撮影など、毎回同じようにしたいので手順書を作るべきかもしれない。工程が漏れそう。次解剖するのはスルメイカかな。